Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第12章 104期訓練兵
訓練兵たちを集め、キースが声を張り上げなにやら喋っている。
その斜め後ろで、ルーナはキースの頭にばかり目がいってしまい、今彼が何を話しているのか全く耳に入ってこなかった。
(キース団長...あんなに髪の毛あったのに1本も無くなってる...
にしても、負傷したわけでもないキース団長がなぜ突然団長を降りたのだろう...)
ボーっとしていたルーナは自分の名前が出たことにハッと気付き、急いで前に出た。
ルーナを見上げるたくさんの新兵たちは、キースを前にしているせいかかなり強ばった顔で手を後ろに、起立を正している。
ルーナは拳を心臓に当て敬礼の姿勢をとり、声を張り上げた。
「調査兵団から来たルーナ・スカンロンです!今日からビシバシあなたたちを鍛えます!しっかりついてきてください!」
「ハッ!!!」
外見に似合わず厳しい言葉をかけるルーナに、新兵たちは戸惑いの表情を浮かべながら敬礼した。
キースは満足そうに、うむと頷きながら話し出した。
「ここにいるルーナ教官は調査兵団に最年少で入団し、もう10年以上も生き残っている精鋭中の精鋭だ!今では調査兵団団長の右腕と言っても過言ではないほど優秀な兵士だ。そんな彼女に私は無理を言って来てもらったのだ!お前たちは運がいいぞ!しっかりと叩き込んでもらえ!」
「ハッ!!!!」
いきなり自分のことを上げられてしまったのでルーナは内心戸惑った。
しかし目の前の新兵たちが自分を見る目は、驚きや尊敬や憧れと言った眼差しで、ルーナ自身をも鼓舞するものになった。
よし!やってやろうじゃないの!
ルーナは心の中で気合を入れた。