Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第12章 104期訓練兵
目が覚めた時、いつもと違う布団の感触を感じながらいつもと違う天井を見つめ、慣れ親しんだ場所ではないことに気がついた。
なにより隣にはリヴァイがいない。
本当に来てしまったのだという実感に、なんとも言えない喪失感を抱いた。
ふらふらと起き上がりカーテンを開けると、訓練場が広がっている。
キースの当ててくれた部屋はルーナにしては勿体ないくらい広く綺麗だった。
ソファーの前のテーブルにはリヴァイとお揃いのティーカップと、お揃いの懐中時計が陽の光に照らされキラキラと光っている。
ルーナはシャワーを浴びてから新しい兵服に身を包んだ。
その背中にはいつもの自由の翼はない。
髪を結び、少し迷ったがリヴァイに貰ったナイフを腰に忍び込ませた。
リヴァイの言っていた言葉を思い出す。
「いいか、いろいろ油断すんじゃねぇぞ?訓練兵団にどんなとんでもねぇガキや豚野郎が潜んでいるかもわからないからな」
そう言って常にナイフを持ち歩けと念を押すリヴァイの怒ったような、でも寂しそうな心配そうななんともいえない表情を思い出し、ルーナは顔を綻ばせた。
今頃リヴァイは何してるかな...
鏡の前でボーッとしている自分に気が付き急いで首を振る。
「さっ!行こう!今日から私はここの教官なんだから」
そう自分を奮い立たせた。