Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第11章 しばしの別れ
それは本当に美しい歌声だった。
リヴァイはいつもルーナが口ずさんでいる歌を楽器の音色とともに聴くと、こうも心に響くものなのかと耳を澄ませた。
ほかの4人も真剣な顔で聴いている。
歌い終わってフゥと軽く息を吐き、立ち上がると、
感激で大粒の涙を流しているハンジ、ミケ、ナナバと、優しい笑顔で拍手を送るエルヴィンと、肘をついて無表情でこちらを見つめるリヴァイの姿があった。
「あ、ごめん、これしか弾けな...」
「ルーナーーーーーー!!!!!!!」
ルーナが言い終わる前に大泣きしながら飛びついてくるハンジとナナバの背中に手を回し、
「もう大袈裟だよ2人とも!会いに来れたら会いに来るから!」
そう言って笑いかけ、あぁ自分はなんて幸せなのだろうと実感した。
こんなに自分を愛してくれる仲間たちがいて......これ以上の幸福があるだろうかと言うほどルーナは今幸福だった。
同時に恐怖も膨らむ一方だった。
この先絶対に誰一人として失いたくない。
兵士である以上いつ死んでもおかしくない身であるし、人類に心臓を捧げるととうに誓った以上死ぬことに悔いはないだろう。
だとしても
この人たちは自分にとってやはり特別だ。
いつまでも生きて欲しい。死なないで欲しい。
そう思ってしまうのは我儘なのだろうか。
あぁ、やはり涙が出ない。
嬉しくて、幸せな涙くらい流したい……
もしかしたら私は、
ここにいる皆に会うために生まれてきたのかもしれないな……
大層な野望や夢を抱くためじゃなく、
ただ単に、ここで皆と抱き合って、笑い合うためだけに。