Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第11章 しばしの別れ
「これを2人に貰って欲しいの」
そう言うアンナに驚く。
「えっ!?いつもいろいろ安く譲ってもらってるのに貰うなんてできないよ!」
アンナは首を振った。
「ううん、どうしても貰って欲しいの。ルーナいつも恋人なんて作らないし要らないって言ってたでしょ。でももしいつかそんな人を連れてきてくれたらいいなってずっと思ってて...そしたら絶対なにかお祝いしたいって思ってこれだけは売らないで取っておいたの。」
ニコッと笑うアンナにルーナは思いっきり抱きついて「ありがとう」と言った。
それから少し話をした。今の兵団のことや自分が訓練兵団の教官になること...こないだの対人格闘勝負についても話した。
「エルヴィンも元気なのね。あなたたちが無事で本当によかった」
そうアンナが言うとリヴァイは
「あいつは最後逃げやがったんだ」
と付け加えたものだから2人は声を出して笑った。
店を出る時にアンナは
「どうかこれからも無事でいてね。2人とも。そしてエルヴィンにもよろしく。」
そう言ってルーナを抱きしめるととても心配そうな不安な顔を滲ませた。
彼女にとっても、ルーナはとても大切な存在なのだろうとリヴァイは痛いほどよくわかった。
「あの…兵長さん……ルーナを…
ルーナを頼みます。この子は昔から無鉄砲で、本当にヒヤヒヤすることばかりで…調査兵になってから私もう壁外調査のたび気が気じゃなくて」
目を潤ませながら真面目にリヴァイに話し出すアンナにルーナだけはポカンとしている。
「安心しろ。こいつのことは俺が守る。」
リヴァイはそう言ってルーナの手を引いて「ありがとな」と付け加えると店を出て行った。
「…うん。すごくかっこいい」
アンナはルーナの最初の言葉に答えるように一人店内で呟いた。
調査兵になってから、
あんなに幸せそうな親友の姿は初めて見た。
そしてあんなふうな表情をするリヴァイ兵長のことも…
その2人の自由の翼の描かれた背が、
まるで2羽のつがいのように見えた。
どこか儚くて、美しい。
しかし、なにがあっても羽ばたくことをやめない最強のつがいに見えた。
「どうか無事で……」
どうか幸せに……
目を瞑り、心の底から祈る。
次に2人が来た時は……
アンナは心に決めた。
少しでも、無力な自分ができることを。