Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第11章 しばしの別れ
アンナはリヴァイに気付き、
「まさか恋人?!」と目を丸くした。
「かっこいいでしょ!」と店内を眺めていたリヴァイの腕を無理矢理引っ張ってアンナの元に立たせた。
「・・・えっ?!」
アンナは呆然と目の前の男を見て固まってしまった。
そこにいるのは紛れもなくリヴァイ兵士長ではないか。
アンナは幼い頃から一番仲良しだったルーナが調査兵団に入ってからというもの、ルーナの身があまりにも心配で、壁外調査などで兵団が募り開門するところではいつも見に行っている。
だから最近民衆の中で有名なリヴァイの姿も何度も目にしていた。
呆然と見つめて黙ったままのアンナにリヴァイは「チッ」と舌打ちをし視線を逸らした。
「ん?アンナ?」
ルーナが訝しげに声をかけると、
「あっ!ごっごめん!リヴァイ兵士長だなんてビックリしてしまって」
と正気を取り戻し心を落ち着かせた。
「はじめまして。リヴァイ兵長さん」
「……どうも…」
相変わらず無愛想なリヴァイだが、
ルーナの親友だと紹介され、軽く会釈を返す。
アンナはまさか初めて対面する親友の恋人がこの有名人だとは思ってもみなかったので驚きつつも嬉しく思った。
こうして実際に対面すると、思っていたより小柄で、顔立ちも含め、まるで少年のようだとも思ったが、その目つきは明らかに普通の人間ではないと思った。
美しい藍鼠色の三白眼、まるで闇と光の両方を携え、只者では無い迫力と威圧感を目だけでも放っている。
しかし人を惹きつける圧倒的な存在感と強さが滲み出ていると思った。
人類最強の兵士……
この人がルーナと…?
しかしアンナは意外だとは思わなかった。
明るく無邪気なルーナは一見するとこの人とは正反対かもしれないが、アンナは知っている。
ルーナにもこの男と同じ雰囲気があり、昔からふとした瞬間時折見せるルーナのオーラは、こちらが怯むような迫力と闇を纏っており、この人に似ていると思った。
もしかしたらこの2人は…
出会うべくして出会ったのではないか。
アンナはそう直感した。
「あっそうだ!ねぇ2人に見てほしいものあるんだけど」
アンナはそう言って奥から箱を取り出してきた。
「わぁ綺麗だねぇ!」
そこにはチェーンのついた少し小さめの懐中時計が2つ入っていた。
よく見ると、縁の色がゴールドとシルバーで違っている。