Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第10章 勝負■
「ルーナ...お前は自分の身を守ることだけに集中しろ。いざとなったらお前は俺が守るから」
ルーナはリヴァイの目を真剣に見つめた。
「...兵士である以上それはダメだよ。今までだって私は助けられてばかりだった。周りは私のこと精鋭だとか言ってくれるけど本当は違う。皆に命懸けで救われ続けてここまで生き残れてるだけ。私を庇って死んだ人間が何人もいる。」
リヴァイは黙ってゆっくりとルーナの髪を撫でた。
「私はねリヴァイ、元々座学も実技も全然得意じゃないんだよ。けど、誰よりも勉強して、誰よりも訓練して、誰よりも努力してここまできた。それだけなの。ただ夢を叶えるそれだけのために。」
「...そうか」
「私は人類に心臓を捧げると誓った兵士なのに、本当は自分のためだけに戦ってるんだよ。私は夢を叶えるまで死にたくない。軽蔑するでしょ」
「いや。俺もお前のその夢とやらが叶うところを見たい。だから俺はお前を死なせない。絶対に守ってみせる。」
リヴァイはルーナを強く抱きしめた。
だが俺はお前と出会ってから、
違う意味で弱くなっちまったかもしれねぇ。
お前のこの温もりを常に感じられていないと、怖くて怖くて仕方ねぇんだ。
こんな感情が湧いたのは生まれて初めてだ。
なにかが怖いなんて思ったことは1度もなかった。
「リヴァイ...ありがとう...」
あぁ、こんなに嬉しくてもやっぱり泣けないや。
ルーナはリヴァイの胸に顔を埋めながら思った。
まさかこんなに私が弱くなってしまうなんて…
今まで身も心も鍛え上げてきたはずなのに、その努力はまるで無駄だったかのようになってしまった。
リヴァイ、あなたのせいだよ…
私をこんなふうに…
溺れさせるから…
あなたはずっと……
残酷に私を狂わせ続ける。