Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第10章 勝負■
「ははっ、安心してくれよ。別にあんたからルーナを取って食おうってわけじゃない」
「当然だ。そんなことになったら真っ先にてめぇを殺す」
リヴァイの眼光がギラリと光った。
冗談で言ってるんじゃないな、本気だ。
ナナバは真剣な顔つきでそれを読み取るとわざとらしい笑みに変えて口を開いた。
「なぁ兵長さん、ルーナから聞いたか?昔ルーナにセクハラした兵士がいたんだ。私はそいつをボコボコにしてやった。ルーナに止められてなかったらきっと殺してたぜー。」
「・・・」
そんなことがあったなどルーナから一切聞いたことはない。
「あんただったらどうしたかな。ルーナに止められてもそいつを殺してたかな」
黙って見下ろしてくるリヴァイに笑みを向けたまま、
「じゃっ、ルーナが目を覚ますまで仕事頑張ってよ。団長には私から報告しとくからさ」
そう言ってスクッと立ち上がると、今度は長身のナナバがリヴァイを見下ろす形になった。
美しいその顔は、確かに一見すると、
誰もの目にも、美男子に映る。
憎たらしいくらいにイケメンだ。
「そんなに見つめないでくれよ
私がイケメンだからって」
「あぁ?」
こんなふうに少々ナルシスト気味なところも
自分が美しいと自覚しているところも無性に腹が立つ。
「おぉ、怖」
そしてこんなふうに、誰もが怯むリヴァイの鋭い目付きに対し、全くの効力を示さず満更でも無い様子で笑うところも。
「そんなにいつも怖い顔ばっかしてると、ルーナにしかモテないぞ?ははははははは」
「ふざけるな」
「ところでルーナはリヴァイの何をそんなに気に入ったんだろう?」
本気で不思議そうにナナバが考え込んだ。
「おいてめぇ、人をおちょくるのもいい加減にしねぇと、」
「まぁ、何となくわかるよ。
なぜアンタがルーナに選ばれたのかね…」
今度は見たこともないくらいたちまち真剣な表情に変わって、リヴァイを見つめるナナバ。
その発言とその異様な空気感に、リヴァイは眉をひそめて黙り込む。
「でも!私も負けてない気がするな!
ふはははははははっ」
「…なんだと?俺に喧嘩を売るとはいい度胸だな」
何がそんなに面白いのか、さぞ可笑しそうに笑ってナナバが去っていった後、リヴァイはどうにもイライラが止まらず、書類に手をつけられないでいた。