Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第10章 勝負■
「てめぇ、人の椅子で勝手に寛いでんじゃねぇぞ」
ナナバは刈り上げた短髪ヘアで、スラッと背が高く顔も声も言動も中性的な女性である。
見た目は明らかに美男子のようで、リヴァイは初めて会ったとき、ずっと男だと思っていた。
あまりにもルーナと親しげでボディタッチも多く、さすがにイライラを抑えきれなくなったリヴァイがルーナをある日問い詰めると、ポカンとした顔で、「ナナバは女の子だよ?」と言われたものだから開いた口が塞がらなかった。
ルーナは彼女のことをかなり気に入っているらしく、姉のような存在だと言っていた。
しかし、こいつはどうだろう?
リヴァイはナナバを見る度に考えていた。
やたらルーナにベタベタとくっつき「相変わらずかわいいなぁ〜」などと平気で口にする。
それをルーナもデレデレと受け入れているのだからリヴァイにとっては面白くない。
兵団では彼女もかなりの実力の持ち主で古参であり、今年ハンジやミケと同じく分隊長になった。
彼らともかなり親しくしているが、ルーナに対するそれは明らかに異常なさまにリヴァイの目には映っていた。
そもそも、周囲の者たちも、
ナナバは兵団一のイケメンだと言っている。
その上、ナナバは女性に異様にモテている。
つまりリヴァイにとって、ナナバという存在は
明らかにルーナにとっての異性として映っていた。
「おい、ナナバ」
こいつの性の対象は女なんじゃないのか?
リヴァイはつかつかとナナバの前に立ち腕を組んで見下ろした。
「1つ聞きてぇことがあったんだ。
お前は女が好きなのか?」
容赦ない率直なその質問に、
ナナバは眉一つ動かさずに答えた。
「女が好きというより、
ルーナが好きなんだが?悪いか?」
リヴァイはピクンとこめかみを動かした。