Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第63章 Moon【番外編】
「ねーなんなのあいつら。
失礼すぎなかった?あのZとかいう人以外完全無視じゃん!
やっぱろくでもない厨二病変人連中なのかね」
ナナバは苛立っていた。
「…初対面なのにもう嫌われちゃったのかな…」
「もしかしたらライバル意識なのかもよ?」
アリーのその言葉に納得してしまった。
なるほど、そうかもしれない。
突然来た海外のアーティストなんかにいい気分はしないだろう。
でもこっちだって、なぜいきなりオファーがあったかなんてわかんないのに。
ルーナも次第に理不尽だと苛立ちはじめてしまった。
トントン
楽屋のドアがノックされた音。
ナナバが出ると、一人の男が大きな花環を持って現れた。
「失礼します。こちら、○○スミス社の社長様からの贈り物です。会場に飾る感じでよろしいでしょうか?」
「…んー?誰だろう?
あぁ、あの3人組の会社かぁ…
うん、そうだね、ホールにそのまま…」
「え!!!待って!!!」
ルーナは目を見開いた。
花環をもって現れたのは…
「…シン……」
「……え…あ……」
考えるよりも先に、すぐさま飛びついてしまった。
その勢いで倒れそうになった花環を急いでナナバが抑えた。
「ルー…ナさ…」
「シン…っ…」
互いにギュッと抱きしめ合った。
感極まってしまい、お互いしばらく声が出せなかった。
シンはこの時代でも花屋だったのだ。
お互いどちらともなく身体を離し、互いの顔を見つめる。
何も変わっていない…あの頃と。
シンは神様みたいなあの笑顔を向けてきた。
ずっと言えなかったこと…
「シン…あの時…守ってくれてありがとう…」
「そんなこと…あれが僕にできる精一杯でしたから…それより…NoNameの皆さんにはもう会ったのですか?」
なぜそんなことを聞くのだろう?
少し首を傾げながら頷く。
しかしシンは不思議そうな顔をした。
「あれ……まぁいいや。」
僕から話してはダメだよな…
そう思いつつシンはまた微笑んだ。
そして今度はゆっくり会おうと約束し、2人は連絡先を交換した。