Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第62章 瞳のその奥
「なぁ…お前の瞳の奥には、どんな世界が映ってる?」
リンクはその問いに、目を細め、優しく笑って言った。
「とても…美しい世界だよ。
言葉では言い尽くせないくらいね…」
お前に一番最初に見せることができたのが、
この世界でよかった。
あの頃ではなく。
その目でもっと見てくれ。
この世界も
俺のことも。
もっと見つめてくれ。
「僕にとっては、ぜんぶぜんぶ、
月の女神様からのプレゼントさ。」
そう言って、リンクは俺の手にラベンダーの冠を置いた。
「月と太陽は、出会うことができるよ、きっと。」
その言葉は、あの時のリンクとの会話を呼び起こさせた。
"毎晩、兄である太陽神ヘリオスが西の空へ沈むと、妹である月の女神ルーナは2頭の白馬に牽かせた黄金の馬車に乗って天空に昇っていく。明け方になるとエオスという神と入れ替わってルーナは西の海に沈んでいくんだ。"
沈んでいく…
そしてまた入れ替わる…
その繰り返し…
それなら…
"その兄妹は、いつ会ってるんだ?"
あの時の答えは曖昧だった。
でも今なら、
必ずまた会えるのだと確信している。
なぜなら俺たちは、
どちらかが必ず生き延びるという誓いを果たしたからだ。
最期まで愛し合うという誓いも。
レオン、ロジーネ、ブルーノは
猫のルシファーを離してラベンダー畑を飛び回っている。
こいつらは今、医者を目指しているらしい。
ルーナの影響もあるし、
俺の目や脚をどうにかしたいからとかなんとか。
でもそんなことは正直俺にとっちゃどうでもよくて、
ルーナやあいつらが心臓を捧げてまで目指したこの世界を、ただただ全身で感じていたいと思っている。
数え切れないほどの心臓の欠片でできた
俺のこの心臓が止まる、
いつかのその日まで…