Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第61章 心臓を捧げよ
まだ若かった頃、
地下街で捕らえられたとき、初めて目が合ったこと。
馬を選んでくれた時、初めて会話をしたこと。
初めて一緒に掃除をした夜。
初めて一緒に夜空を見上げた夜。
初めて紅茶をいれてくれた日。
初めて抱きしめた日。初めてキスをした日。
初めて彼女の身体に傷をつけた日。
それでも笑っていた彼女。
失った親友2人を1番悼んでくれた彼女。
初めて身体を重ねた日。
初めて愛してると想いを伝えあった日。
声が出なくなった日々。
一緒に経験した、たくさんの仲間の死。
自分を傷つける彼女を必死に救おうとしていた日々。
初めて喧嘩をして、離れ離れになっていた日々。
一緒に行った夜会での事件
美しかったドレス姿の彼女
初めて彼女の涙を見た日
夕陽の沈んでいく中で、誓い合った日。
ラベンダー畑で挙げた結婚式。
悲しく切なかった、あの出来事。
一緒に地下街に子供を迎えに行ったこと。
絵、指輪、懐中時計、ティーカップ、水晶、マント、
一緒に眠るベッドに、一緒に座るソファー、一緒に入る浴槽
一緒に使うテーブルに、机に、ペンに、ノートに……
毎日一緒に生きてきた空間。
一緒にしてきた訓練。
見てきた景色、してきた会話、
笑顔、困り顔、怒った顔、泣き顔…
"いつか…一緒に…どこか遠くで暮らそう。それで、なんにも考えずに、ゆっくりと2人だけの…時間を…"
"そうだな。お前とのその夢を叶えるまで、俺もお前も絶対死なない。"
そう言っていたのに…
俺は、結局こいつを守れなくて、守られる側だった。
考えてみたら、いつもそうだった。
ありがとうはこっちのセリフなんだよ、馬鹿野郎。
俺のために、今まで必死こいて強くなってたんだろ。
俺のためにあの日も決断して
全部全部、俺のためだった。
お前の心臓は俺のものだ。
リヴァイはルーナを抱きしめたまま嗚咽を漏らしていることに気がついていなかった。
いつの間にか戻ってきていた仲間たちは、涙を零しながらその光景を見つめていた。