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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第61章 心臓を捧げよ


リヴァイは自分が泣いているという自覚すらなかった。
ただただルーナを瞬きもせずに見つめていた。

頬を撫で、髪を撫で、唇を撫でた。


すると、1滴、2滴、と
ルーナの頬に水滴が落ちる。


片目が潰れていて包帯で覆っているため、零れ落ちたのは全部左目からだ。


片目だけなのに、それは何度も彼女の顔を濡らした。


しかし、明らかに自分のものではないものが、彼女の目から流れている。



「……ルーナ…行っちまうのかよ……」


「私…楽しみしか…ないよ?
来世でまた…必ずあなたを…見つける…ね…」


「……ルーナ…」

左手を取り、その指輪に口付けをしながら眉をひそめて彼女を見守る。

ルーナは虚ろな目を薄らと開け、しかし瞳はこちらを向いていた。


「リヴァ…イ……今まで…ありが…
生きて…ね……」


愛してる…


その最後の言葉は声になっていなくて、
口の動きでそう理解した。



リヴァイはギュッと目を瞑り、指輪に口をつけたまま俯いた。
閉じた目からは涙が零れ落ち、また彼女を濡らした。



「次 会った時は…お前に…
…笑顔を…見せるからな……」




動かなくなったその唇にキスを落とし、
上半身を抱き上げ、ギュッと力を込めた。

彼女の血の匂いとラベンダーの香りが混ざり合って鼻をくすぐり、たちまち氷のように冷たくなっていく体温をひたすら感じていた。


「だからまたっ……俺を…っ…」


完全に止まった鼓動を耳に感じた。


「また俺を見つけてくれ!!」


何度も抱いてきたその身体を力一杯抱きしめながら泣き叫ぶ。
そんな自分がなぜか、ルーナに抱き締められているように感じた。


もう、何も言葉が発せられなくなっていた。

閉じた視界も真っ暗で、

ただただ、離れたくなくて

最期の最期まで彼女を感じていた。




ルーナの髪に顔を埋めると、いつものラベンダーの香りと共に、ずっと2人で培ってきた思い出が回想された。


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