Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第61章 心臓を捧げよ
そして、スラトア要塞に到着した。
ここに来るまでに、何千もの人間が踏み潰されてきた。
「クソっ!もうほとんどエンジンが動いてない!」
「すぐ飛び降りるよオニャンコポン!!」
「オニャンコポン早く来い!!」
「まだだ!!始祖の巨人の真上まで舵を切る!!
俺はそのあと不時着してみせる!!
だから確実に始祖の巨人の元へ降りろ!いいな?!」
いきり立っているオニャンコポンの肩に、
ルーナは手を置いた。
「ありがとう。」
オニャンコポンは僅かに落ち着きを取り戻し、
小さく、はい。と言った。
「レオン、ロジーネ、ブルーノ
ここへ来て。話がある。」
ルーナは静かに3人の前に立った。
「ここから先、何が起こるかわからないから、悔いを残さないように、今、言いたいことは言っておくね。」
優しげに目を細めて3人を見つめるルーナ。
3人は緊張を滾らせた顔つきで拳を握っている。
「あの日、あの場所で、あなたたちに出会えた私は、とても幸運だった。」
地下での記憶が蘇る。
あの決断の日を、幸運に変えてくれたこの子たち。
「私は…あなたたちの親になれて、本当によかった。
ずっとずっと…心から愛してる。
私の大好きな子供たち…。」
「…ルーナ…俺たちも…愛してる…
俺たちの親になってくれて…育ててくれて…
……ありがとう…」
3人は同じ言葉を発しながら、瞳を潤ませた。
「それから、1つ、約束して。
ここから先何があっても、私を庇ったり助けようとしたりしないこと。
自分の命を最優先にして。」
3人は沈黙したあと、目をうるませて小さく頷いた。
ルーナは微笑んで3人の頭を順番に撫で、
そしてリヴァイと向き合う。
「…リヴァイ」
「あぁ。」
真剣な瞳が交わる。
二人の間にはもう、言葉はいらなかった。