Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第60章 大切なもの
「あのなぁ…そもそも壁破られて目の前で母親が食い殺されてなきゃなぁ!エレンはこんなことしてねぇよ!」
「そうだ。地ならしまで追い詰めたのはお前らだろうが!!」
「おい、今更歴史の話をしようっていうのか?先にマーレを苦しめ蹂躙したのはエルディアだってことぐらいは理解しているんだろうな?」
「二千年も前のことでいつまで被害者面してやがる?!」
「全く…幼少期のガキと話しているようだ。そのような戯言が、実在する二千年の歴史に通用すると思っているのか?!」
「何だと?!」
「あのさ…」
先程まで異様なまでに大人しかったルーナが突然口を開いたので、皆息を飲んでルーナに視線を移す。
ルーナはうつむいたまま話し出した。
「二千年も大昔にあったその歴史が本当だったとしても…その贖罪を私たちに求められても…困るんだけど…」
その言葉にジャンたちは、全くだと言ったような顔をしたが、マガトだけは苦い顔をする。
「では聞くが、アッカーマン。…逆の立場だったらどうした?…聞いた話では、あんただけは随分前からエレン・イェーガーの虐殺計画を知っていたそうじゃないか。そしてそれに加担しあちら側にいた人間が、突然それを止めようと今度はこちら側についた。
一体何を考えている?…この際だから言わせてもらうが、あんただけはこの中で唯一、信用に欠ける。」
強く言い放ったマガトに突然笑い出すルーナ。
その不気味な空気感に皆の顔色が変わった。
「私、別にこちら側についたわけではないのだけど。」
「なん、だと…?」
「この際だから、私も言わせてもらう。私は今でもエレンに賛同している。もうずっと前から。」
皆が目を見開き固まる。