Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第60章 大切なもの
森で火を囲んでいるのは、自分たちの他に、アルミン、ミカサ、ジャン、コニー、マガト、ピーク、ライナー、アニ、ガビ、ファルコ、
そしてフロックに処刑されそうになっていたところを救い出し何とか連れてきたイェレナとオニャンコポン。
この信じられないメンバーで食事をすることになるなんて一体誰が想像できただろう?
そして誰もが驚いていたことはもう1つ。
大負傷状態で眠っているリヴァイと、そこを頑なに離れないルーナとレオンたち3人。
食事をしている時も、少し離れたところに5人はいる。
それを皆、神妙な面持ちでチラチラと見ているのでハンジは苦笑いしながら言葉を発した。
「んー…あの家族のことは…今だけでもそっとしといてやってくれ。」
しばしの沈黙の後、マガトがボソリと言った。
「面白いな。どうして気が変わった?エレン・イェーガーを放っておけばお前らが望む世界が手に入るのだそ?島の悪魔共の楽園がな。」
重い空気が流れ始めた。
それに気がついたかのように、いつの間にかルーナが近くに寄り、鋭い視線を刺している。
ハンジはルーナの腕を引いて隣に座らせた。
「説明した通りだよ、元帥殿。私たちは虐殺なんて望んでない。じゃなきゃコソコソ森に隠れてこうしているはずないよ。」
「つまり正義に目覚めたというわけか…」
ハンジの言葉にマガトがそう被せた瞬間、ジャンがついに怒鳴り出した。
「正義だと?!今正義を語ったのか!あんたが?!」
皆が固まりジャンを凝視する。
「あんたらが送り続けてきた巨人に抵抗してきた俺たちが悪だったのか?!…いいか?!俺たちが必死に戦ったのは巨人に食い殺されたくなかったからだ!!それが悪魔の所業だって言いてぇのかよおっさん!!」
「ああ…お前たちは悪魔に見える。パラディ島の脅威論は現実となり今や世界は滅びつつある。お前らが必至に戦った結果がこれだ。違うか?」
ジャンを始め、エルディア側の人間はますます顔を険しくする。