Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第59章 完全無欠の一族
まさかこんなところでこの者たちに出会うとは思わなかった。
車力の巨人…ピークから降りながらマガトは銃を構える。
「俺の目的は、ジークを殺すことだ。…あんたたちとは利害が一致する。…テオ・マガト、ピーク・フィンガー…」
目の前にいるのは明らかに大負傷を負っているアッカーマン。
恐らく無傷であろう調査兵団団長のハンジ・ゾエ。
それから・・・危険人物として把握していたこの女…
もう1人のアッカーマン。
おまけに…あのレベリオ襲撃でも先程のシガンシナ襲撃でも散々暴れ回っていた厄介なガキ共3人…
マガトはルーナに視線を移しながら言った。
「…こんなところで、こんなに顔の知れたメンツ勢揃いで何をしていた?」
「ま、まぁ…いろいろあったのさ。簡潔に言えば、ジークを取り逃した。」
明るく言うハンジを訝しげに睨んでから今度はリヴァイに視線を移す。
「リヴァイ・アッカーマン…九つの巨人に引けを取らない強さを持つらしいが…そのザマでどうやって俺の弾丸を避けるつもりだ?」
その言葉に反応したように3人がリヴァイとルーナの前に立ちはだかった。
狼のように鋭い眼光をマガトに突き刺す。
その後ろでルーナもマガトを睨み上げながらリヴァイの隣で微動だにしない。
「よせ。そこを退けガキ共」
リヴァイの一声で、3人はマガトから1ミリも視線をそらさないまま横にずれた。
「弾は避けられない。だがこのザマを敵の前にみすみす晒した。撃つか、聞くか、あんたたち次第だ。」
リヴァイの真剣な左目だけがマガトと交わる。
「では撃つ前に聞こう。ジークを殺すと言ったが、奴は今はどこにいる?」
その言葉にハンジが答えた。
「おそらくは…王家の血を利用するためエレンに取り込まれている。いや…始祖の巨人に。」
「巨人博士のハンジさんならなんでも分かるようですね。我々マーレよりも…。その始祖の巨人はご覧になられましたか?」
ピークが冷静沈着な態度でそう聞くと、ハンジは冷や汗を流しながらも口角を上げた。
「とてつもなくデカくてどうにもならなそうなことは分かってる。…だから…我々はやるしかないんだよ…みんなで力を合わせようってやつを!」
「・・・」
妙な空気としばしの沈黙が流れた。