Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第59章 完全無欠の一族
「リヴァイ?生きて…る…」
その瞬間、リヴァイの唯一出ている左目は優しく細まり眉が下がったのがわかった。
ずっと見たかった優しげなその瞳…
ルーナはたちまち大粒の涙をこぼし始めた。
思い切り抱きつきたかったが、怪我だらけのその体に覆いかぶさり、柔らかく包み込むようにして腕を回す。
きちんと鼓動が聞こえていて、そして暖かい。
随分と懐かしい温もりだ。
ルーナはそれを感じながら声1つ漏らさず、ただ静かに涙を流している。
リヴァイの震える手がルーナの頭をゆっくりと撫でていく。
強く抱き締めたい。
これでもかというほど、強く…
しかし、それが適わなくて狂おしいほどもどかしく、歯を食いしばった。
2人が今考えていることは同じだった。
「リヴァイ…おか、えり、…」
「あぁ…ただいま…」
ハンジは目尻の涙を隠すようにひたすら荷馬車を修理していた。
「バリスも…もういないんだね…」
「あぁ…俺が葬った」
リヴァイが力なく言った。
それは仕方の無いことだとわかっている。
ルーナは最後に見た大好きなバリスの顔を思い出しながらリヴァイの隣で目を瞑った。
手は繋いだまま仰向けに横になっている。
彼には今まで何年もずっと、私たちは助けられてきた。
彼がいなかったら私たちはここまでこられなかった。
「…どうしたらいい……リヴァイ…」
耳元で微かに囁くその声に、リヴァイは震える手でルーナの左手を取り指輪に包帯越しに口付けする。
「お前は…俺と一緒にいろ。もう離れるな…」
「…でもエレンを止めちゃったら…私たちに未来はないかもしれない…私たちのことより、壁外人類の人たちの方が大事だって言うの?」
「違う。俺だってお前さえいればいい。ただ…ジークを仕留めるのが俺の役目だ。」
ルーナは顔だけリヴァイに向け、手を強く握って声を荒らげた。
「またなにかあったらどうするの!それに、ジークを殺れたとしてもその後は?!この島は全世界から滅ぼされる!」
そしたら私たちの未来だってない!
それにあなたのその体じゃ……
リヴァイはルーナの散々泣き腫らしたような赤く潤んだ目をジッと見つめる。