Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第9章 シガンシナ区墜落■
ルーナはそれから思考が遮断したように何も考えられなくなり、1日中とにかくボーッと過ごしていた。
たびたび様子を見に来て話しかけてくれるリヴァイやエルヴィン、ミケ、ナナバ、ハンジと言った面々には多少笑顔を向けることはできるが、
各々忙しいであろう合間を縫ってルーナの元へ来てくれる皆に申し訳なさでいっぱいになった。
身体はなんともないのに、気力がとにかくなくて仕事を手伝うことができない。
そんな使えない自分に心底嫌気が刺していた。
医者の説明では、重度の心的外傷が引き金となって精神的疲労が限界を迎えてしまったのだろうと。
充分療養していれば何かをきっかけに声は出るだろうと言っていた。
ルーナは自分に時間を潰せるような趣味がないことに気がついた。
今までの人生、趣味なんて持ったことがなかった。
いつも頭には兵団のことがあり、巨人討伐のことがあり、仲間の死があった。
それを歌を歌って誤魔化していたのだがその声も今は出ない。
ルーナはただただ空を眺めていた。
訓練兵の声がする。よーく耳を澄ませると、リヴァイの声も聞こえた。