Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第9章 シガンシナ区墜落■
どのくらいの間そうしていただろう。
ルーナはいつの間にかリヴァイの腕の中で眠ってしまった。
リヴァイはそっとベッドにルーナを寝かせ軽く唇にキスを落とすと医務室の扉を開けた。
すると目の前にエルヴィンの姿があり目を見開く。
こいつもルーナのこととなると
普段とはまるで違ったように騒がしい奴になるな。
とリヴァイは心の中で呟く。
「ルーナの様子を見に来たんだ。具合はどうだ?目は覚ましたか?」
「静かにしろ、ちょっとこっちへ来い」
リヴァイはそう言って扉を閉め、廊下でエルヴィンに事情を説明する。
「・・・なんということだ」
エルヴィンは動揺を隠せなかった。
「あの瓦礫の下敷きになって死んだのはルーナの大切な人間だったんだろ」
「あぁ、ポーラさんのことは私もよく知っている。とても素晴らしい人だった。ルーナの育ての親のような人物だ。」
「・・・そうなのか」
「遺体は回収したいところだが今のこの状況だと難しい。ルーナにももうポーラさんの話はしないほうがいいな。ルーナの状態も、一部の人間以外には伏せておこう。」
「あぁ...」
「医者には私から言っておく。お前はなるべくルーナのそばにいてやってくれ。今彼女にとって1番いい薬はお前だろう」
「んなことてめぇに言われなくとも分かってるさ」
掠れた声でそう言うリヴァイに、エルヴィンは肩に手を置き歩いていってしまった。
廊下で1人になったリヴァイは壁を拳で叩いた。
「ちっくしょう...なんで...」
ルーナの自分を呼ぶ可愛らしい声も、明るい笑い声も、あの綺麗な歌声も、もう聞けないって言うのか?
冗談じゃ...ねぇぞ...
"私の部下を、お前の仲間を、殺したのは誰だ?私か?ルーナか?お前か?
違う!巨人だ!"
ふいに、あのときのエルヴィンの言葉が反芻された。
リヴァイはぶつけようのない感情を奥歯にかみ締め目を瞑った。