Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第59章 完全無欠の一族
パァン!
パァン!
自分の手によって、自由の翼の背が何人も血にまみれ、倒れていく。
まさかね…
こうして仲間を殺すことになるなんて…
ハンジは銃を下ろして涙を止めた。
「…もう追っ手はいなくなったよ。ルーナ…リヴァイはどう?」
「・・・」
ルーナは涙を流しながらも何も言わず、必死になってリヴァイの治療をしている。
顔や体中の血を洗い流し、傷を縫い、包帯を巻く。
右目は潰れ、右手の指が2本なくなっている。
ここまで惨い姿のリヴァイはもちろん見た事がない。
だからルーナの今の気持ちは到底計り知れないほどの窮地に陥っているだろう。
「…皆巨人にされたけど、リヴァイだけは生き残った。この怪我でまだ生きているのも同じ理由だろうね。きっと…アッカーマンだからだ。」
「…でもっ…目を…覚ますかどうか…」
嗚咽を洩らしながらも微かに言うルーナの肩に手を置いた。
「君の想いは必ず通じる。…だって、ほら…」
ハンジはリヴァイの無傷の左手を取った。
そこには同じく無傷でピカリと光っている指輪…
「君との愛には…傷一つないだろう?」
ルーナはギュッと目を瞑り、奥歯を噛み締めた。
「リヴァイ……目を、覚まして…戻ってきて…お願い…私と何度も約束してきたでしょう?約束は守る男だって…いつも…言ってたじゃん…」
"リヴァイ…は…私の…全て…"
"あぁ。俺も同じだ…"
"もっと触れて…"
"触れてるだろう"
"手を…掴んで…離さないで…"
"離さねぇよ、どうした"
"ちがう、の…私をずっと、掴んでいて。私が…私でいられる、ように…"
"あぁ。俺はいつでもお前を掴んでる。ずっと、離れねぇように。"
"いつか…一緒に…どこか遠くで暮らそう。それで、なんにも考えずに、ゆっくりと2人だけの…時間を…"
いつか平和な世の中になったら…
叶えたい唯一の夢。
"そうだな。お前とのその夢を叶えるまで、俺もお前も絶対死なない。"
"必ず、生きて…また会おう。リヴァイ…"
"当たり前だ。今までだってずっと、それだけのために生きてきたんだ"