Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第59章 完全無欠の一族
「ジークさん、何があったんですか?」
フロックはほかの兵士たちにルーナを追わせ、目の前のジークに向き直った。
「…わからない。知らない少女が土を捏ねて俺の体を作った。知らない場所で…ただそれを見ていた。何年もそうしていたような気がするし、一瞬だったような気もするが…あれは…そうか、あれが道、なのか…」
上をぼんやりと見上げて独り言のように呟くジークを訝しげに見つめる。
「…ジークさん、あなたを拘束していた調査兵団30名は巨人にして従えたのですよね?…彼らはどこに?」
「まぁ…いろいろあって、いない。俺たちの邪魔をする奴らはもうここにはいない。」
ジークは突然真剣な表情に変わった。
そして強く決意したように言い放つ。
「…行こう。俺たちはただ進むだけだよな、エレン。」
気がつくと、先程までの大雨は嘘のように消え、雲が開き太陽の光が差し込めてきていた。