Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第59章 完全無欠の一族
「うっ…く…」
「ルーナ?!どうしたの?!」
フロックたちと共に馬でジークの拘留地に向かっている道中、ルーナは突然呻き声を上げ、息を荒らげた。
ハンジも馬を止めてルーナの顔を覗き込む。
「大丈夫?ルーナ…」
「う、うん…ごめん…大丈夫」
突然頭痛がし、息が苦しくなった。
そしてどうしようもないくらいの悪寒がする。
先を進んでいくハンジとフロックを馬で追う。
まだ拘留地まではあるらしい。
その時、
ドガガガガガガン!!!!!
凄まじい爆音がし、思わず耳を塞ぐ。
ルーナの目が無意識に見開かれた。
嫌な汗が流れ始め、また息が苦しくなる。
「きょ、巨人がいるぞ!気をつけろ!」
「一体何が?!」
皆がその光景に目を見張る。
荷馬車や馬がバラバラになっている残骸と、
近くに一体の巨人が蹲っている。
「は、ハンジ…今のは雷槍の音じゃ…」
ルーナが顔を強ばらせて静かに言うと、ハンジは神妙な面持ちで頷いたかと思えば視線を巡らせたちまち驚きの表情になった。
「っ?!誰か倒れてる?!」
「ハンジ団長、勝手に動かないでください」
兵士たちに銃を突きつけられるが、ハンジは馬から降りてそこへ駆けつける。
その瞬間、ルーナは反射的に体が動いた。
顔を強ばらせながらハンジを押し退けて一目散に駆け出す。
!!!!!!
「…はっ……あ…あ……」
「っ…ルーナ?!…はっ?!…リッ…」
「いやあああああああああああ!!!!!!!!」
誰もが耳を塞ぎたくなるくらいの叫び声を出すルーナ。
尋常ではないくらいの発狂音だ。
「ちょっと、ルーナさ」
「やぁあああああああああああ!!!!!!!」
フロックがルーナの肩に手を置こうとするが、それを跳ね除けながら泣き喚いている。
顔中に破片が突き刺さり、全身血まみれの誰かを腕に抱えて。
こんな彼女は未だかつて誰も見たことがないので目を見張る。
フロックは目を細めた。
なるほど……これはリヴァイ兵長か。
「ルーナ、落ち着くんだ。」
ひたすら泣き叫ぶルーナからリヴァイの体を支えとる。
ハンジはその姿を凝視し、鼓動と脈を確認した。
フロックは冷静沈着な態度でそれを見下ろし独り言のように言った。
「何があったか知らねぇけど…運がいい。1番の脅威が血塗れになってる。」