Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第58章 赤い鮮血
「それが出来ない奴らは牢屋に入ってもらう!」
「いい加減にしろフロック!馬鹿な真似はよせ!」
ハンジの言葉にキースは至極冷静な表情のまま手で制止した。
「いい、ハンジ。ひよっこ共が何人かかってきた所で相手にならん」
ルーナは分かってしまった。
おそらくキースは、訓練兵たちに自ら痛めつけられることでその訓練兵たちだけでも生かしたいと思っているのだと。
「キース教官…」
ドカッ
ドカッ
ドカッ
ほとんど抵抗をせずにボロボロにされてしまうキースを、ルーナは目を逸らさずに見ていた。
「教官…治療します。」
ルーナは消毒液と包帯を取り出し治療を始めた。
真っ赤な鮮血が鼻からも頭からも流れていてたちまち包帯を染めていく。
フロックはため息を吐きながらそれを見下ろしている。
「早くしてくださいルーナさん。あなただって早くリヴァイ兵長の元へ行きたいのでしょう?」
「わかってる。別にこれは情ではない。」
「…いい…スカンロン…早く行け…」
なんとか起き上がりながら言うキースに、眉間に皺を寄せる。
「…く……早くしろ!」
突然怒鳴られビクンと手を止める。
鋭く真剣なキースとまっすぐ視線が合い、それと同時にフロックに腕を引かれて立ち上がった。
「わかってください、教官…」
「…あぁ。」
「それから…私はもうスカンロンではありません。」
ルーナはレオンたち3人に目配せし、後のことを任せることにした。
3人はイェレナたちの元へも行かせる必要がある。