Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第58章 赤い鮮血
「お願いですから従ってください。」
「何を言っている?かなり久々に会ったと思ったら…お前までこの小僧共の派閥に属していると?」
「そんなことを言ってる場合ではないんです。なぜ分からないんですか?もうとっくに時間切れなんですよ」
ルーナの鋭く睨む眼光が突き刺さり、キースは真剣な表情で頷く。
「…話はなんだ」
「いや、あなたには関係ありません。頭の硬さしか取り柄のない老人なんて不要なんですよ。」
フロックが冷たく言い放ち、訓練兵たちに向き直った。
「これからは訓練兵諸君!君たちの時代だ!!」
大きな声が建物中に響き渡った。
皆が息を飲み、声を張り上げるフロックを見つめる。
「我々イェーガー派は、現在滅亡の危機にあるエルディアを救うために心臓を捧げると誓った!それはこの古い兵団組織のためではなく、この島に住む民のためにだ!このまま時代遅れの兵団に従属していては為す術もなく外の世界の敵に蹂躙されるのみだ!!」
フロックは真剣な眼光を見開き拳を心臓に置いた。
「今君たちに問う!!君たちは何者だ?!我らエルディアの指導者エレン・イェーガーと共に未来を生きる者か?!それともここにいるキース・シャーディスとともに古い慣習と心中する者か?!」
すると、それに触発されるように次から次へと兵士たちがフロックに近寄り敬礼をし始めた。
「よし!君たちの覚悟を見せてもらおう!シャーディス教官を足腰立たなくなるまで痛めつけろ!」
その言葉に、皆はさすがに動きを止め冷や汗を滲ませる。
ルーナは目を細めて拳を震わせた。
「待ってフロック。その儀式は必要なの?」
「はい。覚悟の程を見せてもらわねばなりません。そうでしょう?ルーナさんのように、情を捨て去る覚悟ですよ」
その言葉にルーナは押し黙り冷淡な表情に変わった。
そう…私はとっくに情は捨てたんだ。
全ては未来のために。
「これこそが!我々が淘汰すべき悪習そのものだ!!粛清してみせよ!!」
フロックがそう言いながら拳をドンっとキースの胸に置いた。