Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第58章 赤い鮮血
ジークの脊髄液がワインに…?!
いつから仕込まれていやがった…
体が硬直するって予兆はなかった。
嘘だったから…?!
クソっ!!
速えぇ…!!
動きが普通じゃねぇ!
これもジークの仕業か?!
「っ!!!」
飛びかかってきた巨人を瞬時に避け、ブレードを引き抜く。
手指を切り落とし、うなじを狙おうとした時だった。
今にも食いつこうとばかりに大きく口を開けている…
巨人の顔…
「っ!!…バリス……!!」
リヴァイはうなじを切るのを瞬時に止め、身を捩らせた。
「まだ…そこにいるのか?…お前ら…」
ジークは巨人となった兵士の掌に乗り、一目散に走り去る。
「俺だってなぁ、こんなことはやりたくなかった。でも悲しいよ…これは戦いや争いじゃない。決別だ…お互いを信じることができなかった。」
だがそれも無理はない。
あんたたちとはあまりにも見てきた世界が違いすぎたんだ。
レベリオの奇襲に成功して勘違いさせてしまったようだが…
全世界の戦力がもう時期この島に集結してしまう。
それがどういうことかわかってない。
「自分たちには力がある、時間がある、選択肢がある、そう勘違いしてしまったことが、リヴァイ…お前の過ちだ。」
俺の真意を話したところで、あんたたちには分かりっこないだろうがな…
なぁエレン…俺たちにしかわからないよな…
この森を抜ければ直ぐにお前の元だ。
しかし…
「ちゃんと時間と場所は覚えているんだろうな?エレン……
…ん??」
…なっ?!?!
ジークは信じられないものを見た。
振り返ると、全身真っ赤な血に染って鬼のような形相で飛んでくるリヴァイがいる。
赤く染った悪魔そのものに見え、顔を強ばらせる。
「くっ…行けぇぇぇ!!!」
急いで自分の前方を走らせていた巨人たちを攻撃に行かせるが、目にも止まらぬ速さでリヴァイに切られてしまった。
「…ッッ!!なんだよおおおお!もおおおお!!!またかよぉぉぉおおお!!!!」
ジークは自身の手に噛みつき、瞬時に獣の巨人となる。
またリヴァイとやり合うことになるとは微塵も想像していなかった。
しかし…ここまできたらなにがなんでも負けるわけにはいかない。
エレンに会うため、先を急がなくてはならないのだから。