Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第57章 カード
「いくつになってもわからないものが人生だよな。わからない人生をわかったようなつもりで歩むほど、危険なことはない。…ていうかお前、俺よりも年上だったよな?」
ジークのその言葉にリヴァイは更に鋭い眼光を突き刺す。
「なら年上への口の利き方には気をつけるんだな」
自分も人のことは言えねぇが。
と心の中で呟く。
「あぁそういえば…まさかとは思うけど、あの嫁さんにもアッカーマンの血が流れているわけではないんだよな?」
「…なんだ、てめぇ。ビビってんのか?」
「ただの興味だよ、なぜすぐにそう敵対心を剥き出しにする?」
当たりめぇだろ、お前は味方じゃねぇ。
俺は全く信用してねぇし、本部の命令がなけりゃすぐにでもお前を殺してた。
そう口で言いたいが、出してしまえば感情が抑制できなくなる気がして口を噤む。
なぜ俺はこいつとこんなところで雑談してなくちゃならねぇんだ?
さすがに疲れが襲ってきてそんなことを考え出してしまった。
「あいつは俺と同じ血が流れてなくても強い。だからお前に心配なんぞしてもらわなくても大丈夫だ。」
「…ふぅん。そう。早く会えるといいね」
まるで興味がないというような口ぶりだが、内心ホッとしているに違いない。
「…その通りだなホント…早くあいつの所へ…」
リヴァイが額に手を当てながら蚊の鳴くような声で独り言として呟いたつもりだったが、ジークには聞こえていたようだ。
「なぁ、もしも俺たちがこうしてのんびりしている間に、その人に何かあったらどうする?」
「…あぁ?」
リヴァイは顔を上げて睨むように目を細めた。
「有り得る話だろう?だってこうしている間にもいつ全世界から攻撃が来てもおかしくない。だから俺は早くしろと言ってるんだが。」
「あいつに傷をつけた奴は必ず俺が息の根を止める。それだけだ。」
ジークは真剣な表情を作った。
「自分の命を懸けてでも?」
「当然だ。」
随分とルーナにご執心なのだろうということが手に取るように分かるとジークは思い、短くため息を吐いた。