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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第57章 カード


「にしても…驚いたよ。まさかリヴァイ…お前にあんなに綺麗な嫁さんがいたなんてなぁ。モテるのは本当なのかもな」

少々馬鹿にしたような言い方で茶を啜るジークを睨みつける。

「なぁ…睨むの、いい加減やめてくれないか。」

「俺は元々こういう顔だ。」

「はぁ…そうかい。やはりお前がモテるって話は信じないでおこう」

周りにいる兵士たちはたまに交代でテントの中で休んではワインを飲んでいる。
ほどほどにしろとあれ程言ったのに、大量に持ってきたワインはほぼ無くなっている。


「それより上の連中は何を迷っているんだ?」

もういい加減待ちくたびれたというように伸びをしながらジークが呟くように言った。
しかしそれはリヴァイも同じだ。

「てめぇのことをおいそれと100%信用するわけねぇだろうが」

「迷うってのは、一種の欲望からきているように思う」

「あ?」

リヴァイは心底不機嫌そうな顔で上目遣いで睨みあげた。

「ああもなりたい、こうもなりたい、こういうふうにしたいとか…そういった欲望があるから迷いが出てくる。それを捨てれば問題はなくなるのになぁ…人間ってのはどうしてこうも欲深いんだか…」

ジークは欠伸をしたあと、ぼんやりとした目でリヴァイを真っ直ぐ見つめた。

「安全ってのはさぁ、思い込みにすぎない場合が多いんだ。そもそも現実には安全なんてのは存在せず、子供も老人も、誰一人として安全とは言えない。危険を避けるのも、危険に身を晒すのも、同じくらい危険なんだ。」


「…危険に満ちた道か、無か、…それしかねぇってことか?」

「あぁ。そうだろ。人生なんてそんなもんだ。」


リヴァイは視線を地面に落とした。
小さな蟻がブーツの爪先らへんで動いているのが見える。

生きていくことは、危険なことしかない。
確かにそうだ。
いつどこでどうやって命を落とすかなんてわからない。
死んだことに気づけるかすらも…

リヴァイは蟻を避けるように足をずらした。
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