Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第57章 カード
「本当にエルディアを救うつもりなのか知らねぇが、とうの人命に興味がねぇのは確かだ。お前が耳カスほどの罪悪感も覚えちゃいねぇ事がよくわかる。」
ジークの脊髄液を含んでいるガス兵器。
そのガスを少しでも吸った者は直後に体が硬直し意識を失い、ジークの叫びの一声で巨人になるらしい。
そしてジークの命令通りに動く。
あのウォールマリアにこいつと共に突っ立っていた巨人たちのように…
それをぬけぬけと何も感じちゃいねぇかのように喋りやがる。
髭面野郎…こいつの役目が終わったら、必ず俺がこの手で…
「はぁ…お前モテねぇだろ。勝手に人の気持ちを分かった気になるなよ」
「わかるさ…それにモテたことくらいある。こう見えて俺は元々結構モテる。」
「あぁそうかい。お前の嫁さんのほうがまだ俺の気持ちを少しは理解してくれる人だったよ」
「人の妻を蔑む言い方はやめろ、クソ髭」
「蔑んでなんかないさ。それよりお前は大丈夫なのか?お前のその愛する妻とこんな長いこと離れて俺と一緒にいるなんて。」
樹高80mの群生林からなる巨大樹の森。
30名の兵士たちが囲む中、リヴァイとジークは向かい合って茶を飲んでいる。
「てめぇに心配される筋合いはねぇが、その汚ぇ面をいつまでもこうして見てなくちゃならんのはかなり堪える。」
「なら早くエレンと会わせてくれ。一体いつまでこうして茶会をしてるつもりだ?いつまでも時間があると思っているなら間違いだと伝えろ。」
「それだけは同じ意見だ。」
もうここへ来てひと月になるか…
向こうはどうなってやがる。
あいつは…ルーナは…今頃何をしているだろうか?
リヴァイはため息を吐いて懐からルーナの絵を取りだした。
またこれを持ち歩く離れ離れの日が来るなんて…
目を細めてそれを眺めてからまた徐に懐にしまった。