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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第57章 カード


ハンジは牢に幽閉されているエレンとの会話を思い出していた。
なぜエレンが単独行動をとったのか…
なぜ皆を危険に晒してまでマーレ襲撃に至ったのか…


「オレは戦鎚の巨人を食いました。つまりどれだけ深く硬い地下にオレを幽閉しても無駄だってことです。オレはいつでも好きな時にここを出られる…当然、始祖を持つオレを殺すこともできない。いくら脅したところでジークを殺すわけにもいかない。」


「うっ!」

突然エレンは牢の隙間から腕をのばし、ハンジの胸ぐらを掴んだ。

「つまり、ハンジさん…あなたに何ができるって言うんですか?他のやり方があったら!教えてくださいよ!」


あの時のエレンは、一番最初に私が出会った時とはまるで別人だった。
あれは…ジャンたちの言うように、本当にエレンではないのではないかと思えるほど…


「エルヴィン…なんで私なんかを団長にしたんだよ…あなたの唯一の失態だ…」

牢を出て、思わず扉の前で座り込む。

「そんなことないよ」

突然上から降ってきた静かな声に顔を上げる。
見上げるとそこには優しく笑うルーナの顔。

「そんなことないよ。ハンジ。あなたは立派な団長。」

違う…私は…
ただの役立たずだ…



ルーナは、エレンとは自分が話すと言って、牢に入っていってしまった。
彼女が彼と何を話したのかはわからない。

でも、彼女は笑顔で帰ってきたし、言い合う声なんかも聞こえなかった。

エレンを鎮められるのも、記者たちと上手く話ができるのも、兵団を纏められるのも、部下たちの尊敬を集められるのも、戦闘力があるのも、
間違いなく私ではなく、ルーナだ。

今ではそう思ってしまっている。
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