Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第57章 カード
数週間後…
燃えた小屋の修繕費用は、カサンドラ嬢が受け持ってくれた。
これはきっとリヴァイのおかげだ。
そうルーナは思った。
飛行船でサシャを撃った子供2人、ガビとファルコは看守を滅多打ちにした後、脱獄してしまった。
そして、このタイミングでヒストリアは懐妊した。
「ルーナちゃん、やっぱり兵政権上層部は、エレンから始祖を誰かに移そうと画策してるようだ」
今、ルーナはアリーの家に来ている。
ディーターの言葉に、ルーナは神妙な面持ちで頷く。
「やっぱりね。このことは、調査兵団では私しか知らない。上層部は秘密裏に動いているから、きっとリヴァイたちも知らないでしょうね」
「ねぇ、ルーナさん、早いとこどうにかしないと…大変なことになるんじゃない?義勇兵だって拘束されてる。」
アリーの意見は最もだ。
イェレナがフロックを通じてエレンと密会していたことがバレた。
単独行動をさせたのはイェレナの差し金、そしてヒストリアがこのタイミングで妊娠したのもイェレナの差し金、もう今では誰もにそう思われている。
「確かにこのままではまずいね…誰もエレンやジークたちの真の目的は知らないだろうけど、このまま先延ばしにされ続けて時間だけ消耗されていたら…」
世界中がこの島に攻め入ってくるだろう。
それは明日かもしれないし、今すぐでもおかしくない。
早くしないと…この島が…
私たちが…
皆が危険に晒されることになる…
「ルーナ姉ちゃん…救ってね。この島を…」
リンクの声に顔を上げる。
リンクはもう12歳になっている。
成長するにつれ、その綺麗な銀髪と、色素の薄い白みがかった瞳が、整った顔をより強調していた。
誰もがゾッとするような美しい少年だと思った。
「大丈夫。私は、最期までやり遂げる。」
力強く、真剣な表情でそう言った。