Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第56章 炎の中■
「リヴァイ…は…私の…全て…」
「あぁ。俺も同じだ…」
自分の腕の中で子供のように泣きじゃくるルーナの頬にキスをする。
一体どうしたというのだろう…
そう思うくらいに、ルーナの口から出る言葉は感情的だ。
「もっと触れて…」
「触れてるだろう」
「手を…掴んで…離さないで…」
「離さねぇよ、どうした」
リヴァイは指を絡めたまま動きを止めてルーナの唇に軽く触れる。
息を荒らげてしゃくりあげるようにして瞳を開いた。
そこには眉をひそめている自分が映っている。
「ちがう、の…私をずっと、掴んでいて。私が…私でいられる、ように、…」
「あぁ。俺はいつでもお前を掴んでる。ずっと、離れねぇように。」
優しい表情でそう言われ、ルーナの目からまた涙が零れた。
そう。離さないでいて、ずっと。
あなたの中にいる私が、私でいられるように。
ずっとあなたの中にだけいられるように。
互いの瞳の奥に揺れるのは、同じ願いのように感じてならない。
たった1人の人間を愛する、ただの男と、ただの女でありたい。
兵士でも、闘士を燃やす者でも、何かを背負う者でもなんでもなく…
ただ愛しい人の肌に触れ、愛しい人の思いを共有し、ただ愛し合っていたい。
望むのはそれだけだ。
「いつか…一緒に…どこか遠くで暮らそう。それで、なんにも考えずに、ゆっくりと2人だけの…時間を…」
いつか平和な世の中になったら…
叶えたい唯一の夢。
「そうだな。お前とのその夢を叶えるまで、俺もお前も絶対死なない。」
「ん…」
耳元で囁くリヴァイの声があまりにも優しく、鼻の奥がツンとなりまた涙が滲む。
涙を流しながらも薄ら笑みを浮かべて頷くルーナをたまらずまた突き動かす。
何度抱いてもすぐにまた欲しくなる。
快楽の熱が欲しいわけではない。
少しでも長く繋がっていたい。
より深く、深く、愛しい人の心を包み込んでいたいだけ。
想いに精一杯応えたいだけ。