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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第56章 炎の中■


「おい、早くここを離れるぞ。」

リヴァイがルーナを抱きかかえようとしゃがみこんだ時、突然2人に覆い被さるようにフロックの体重が乗っかった。

耳を劈くような音が聞こえたかと思えば、フロックの呻き声が聞こえる。

「え…」
「なっ?!」

崩れた建物の柱がフロックの背に当たったのだと分かった。
しかし考えている余裕はない。

リヴァイはフロックに肩を貸し、ルーナを立ち上がらせると瞬時にその場を離れた。

ガタガタと建物が崩れる音がする。

入口の正面近くに回り込んでようやく地に膝をついた。

「おいお前、大丈夫か?!」
「フロック!すぐ医務室へ行こう!」

「大丈夫…です…ちょっと背中に当たっただけですから」


フロックを医務室へ連れていくと、椅子に座らせ服を脱がせた。
背中に擦りむいたような傷ができているだけでホッと胸を撫で下ろす。
骨折とかしてなくて本当によかった…

「ごめん…ありがとう…庇ってくれたんだね。」

消毒液が染みるのか、ルーナにガーゼを当てられながらフロックは身を震わせる。

その時扉が開く音がしたかと思えばリヴァイが入ってきた。

「はぁ…火はなんとか消えた。原因は誰も分からねぇみてぇだ…」

「そう……一体なんなんだろう…」

ルーナは消毒を終えて、包帯を巻いた。

「ちょっとルーナさん…そんな、このくらい…大袈裟ですよ」

「ダメだよ油断しちゃ。雑菌が入ったら大変なことになる。」

厳しい声でそう言い、手早く治療を終えて、服を渡した。


「フロック、ありがとうな。お前の度胸には驚かされた。」

「いえ…当然のことをしたまでなので…」

リヴァイは、ルーナの後を追ってフロックが最後まで目を離さないでいてくれたことと、自分たちを庇ってくれたことに心底感謝していた。
ここまでするからにはきっとこいつもルーナのことを…
とも思うが、今は嫉妬心なんか出しているときではない。
それに・・・
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