Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第56章 炎の中■
「ああ!いた!ルシファー!!」
ルシファーは怯えた様子で、炎を避けるように物置の隅に隠れていた。
「大丈夫だよ、ルシファー。さぁおいで…」
怯えたように震えているルシファーに手を伸ばす。
フロックは差し迫ってくる炎を遮るように背後でジャケットを振りかざしている。
「ルーナさん早く!!」
「んん…!!」
必死に腕を伸ばし、半ば強引にルシファーを引っ張り掴みあげた。
抱きかかえながらフロックと共に出口へ行こうとするが、炎に囲まれ徐々に身動きが取れなくなってくる。
「どう…しよう…」
咳き込みながらそう声を発すると、さすがに酸素が足りなくなり目眩がしてきていた。
「ルーナさん?!」
しゃがみこんでしまったルーナをフロックは抱きかかえた。
ルシファーは腕の中で丸まっている。
ここからどうする?!
「ゴホッゴホッ……くそ!!」
このまま炎の中を突っ走ったら焼け焦げちまうか?
いやこのままいても酸欠で気を失う。
キョロキョロと思考を巡らせていると、突然声が聞こえた。
「おい!!お前らどこだ!!」
「はっ…こっここです!!リヴァイ兵長?!」
リヴァイは持っていたバケツの水で目の前の炎を僅かに遮り、フロックの抱きかかえているルーナを見て顔を強ばらせた。
「く…とにかく急ぐぞ!!」
「でもどうやって?!」
リヴァイは咳き込みながら窓を睨みつけた。
「ここを蹴り壊す!そしたらお前らからすぐに出ろ!」
「え、」
リヴァイは返事も聞かずに勢いよく窓を蹴り破った。
凄まじい破壊音が聞こえたかと思えばリヴァイはすぐさまフロックの背を押しやる。
転がるように外へと出ることができ、フロックは地面にルーナとルシファーを下ろした。
ルーナははぁはぁと息をしながら正気を取り戻したようだ。
「大丈夫ですか?!」
フロックが覆い被さるように顔を覗き込みながら言う。
「うん、ゴホッ、ありがと…」
建物の裏側なので誰もいない。