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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第56章 炎の中■


「こんにちは。」

「あぁ…君か。びっくりしたなぁ」

ジークは本を閉じて机に置いた。

「読書が好きなの?」

「いいや。けど、やることがこれしかないだろう?いつまでここに閉じ込めておくつもりだ?」

ルーナは苦い顔をしながら自分が持ってきた何冊かの本を机にドサッと置いて言った。

「そう思って退屈しないようにたくさん本を持ってきたから。準備しているところだから、あと少しだけ待っていてほしい」

ジークは深いため息を吐きながら本に視線を落とす。

「そうかい。この本を全部読み終わる頃にも決断を長引かせているようじゃ、こないだの戦いだって今までやってきたことだって全てパァになるよ」

「…そうだね…あなたとイェレナの安楽死計画もね…」

目を見開いているジークには目もくれずにルーナは向かいの席に腰を下ろした。


「君は知っていたのか…」

「大丈夫。このことは私と部下もう1人しか知らない」

「ほう…君のあの旦那さんも知らないと?」

「うん。」

「黙っているということは…そしてイェレナが君に喋ったということは…君はそれに賛同したということでいいのかな。」

ルーナは真剣な顔付きで頷いた。
しかしもちろんこれはエレンと同じようにただの、フリだ。

「ふぅん。かなり意外だが君みたいな頼もしい味方がいてくれて安心したよ。やはり夫婦間にも隠し事は付き物なんだな。」

ジークはわざとらしく笑った。
ルーナも同じように笑い、異様な空気が流れた。
先程から目の前の男を殺したくてしょうがない気持ちを懸命に押さえ込んでいる。

「あなたの平和思想はなかなか興味深い。」

ルーナの呟きに、ジークは真剣な目をして言った。

「人間は、長い歴史の中で幾度となく繁栄と貧困を、平和と争いを、結果としての幸福と不幸を繰り返してきた。いったいこれはどういうことなのか。文化が進み、文明が発達してきたにも関わらず、人間は同じような不幸を繰り返している。なぜ、このようなことになるのか。考えたことはあるか?」

口を閉ざしたまま目を細めるルーナにジークは続けた。
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