Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第56章 炎の中■
「死ぬよりも、生きているほうがよっぽど辛いときが何度もあります。
それでもなお生きていかねばならないし、また生きる以上は努力しなくてはならないんです。強く、あらねばならない…」
呟くように言ったルーナのセリフに、記者たちの表情が変わった。
生まれるということは死ぬ ということの約束であって、 死も格別驚くことではない。
それでも誰もが生きていたいのは、大切な人がいるから。
大切な人の人生に悲しみを落としたくないから。
「人はいつだって、いろいろなものにさよならを言わなければならない。けれど、人が人にさよならを言うのだけは、誰もが苦痛を伴うんです」
兵士とか、心臓を捧げてるとか、
そんなの関係ない。
記者たちは思った。
この人の生と死についての観念は一体どんな感じなのだろう?
「ルーナさんは…どのような生き方が素晴らしいとお考えでしょう?」
彼女は数秒沈黙した後、顔を上げた。
その瞳の奥に儚げに揺れる炎が見て取れてゾッとする。
「実際にどう生きたかということは大した問題ではないのです。大切なのは、どんな人生を夢見たかということだけ。私は…そう思っています」
"君が今どんな状況で何を感じていようと、自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ"
エルヴィンの手紙を思い出す。
だから私は負けたくない。
自分のためだけに戦い自分のためだけに生き残る。
夢を叶えるために。
隣にいるリヴァイをふと見上げると、もうすでにこちらを見つめていて目が合う。
とても優しい眼差しで。
そして肩に置かれていた手が頭の上に置かれ、ゆっくりと撫でてくれた。
その後いくつかの質問を終えて、記者たちは大満足といった様子で席を立った。
「門までお見送りしますよ」
「いえいえ結構でございます!ここまで貴重なお時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした!お忙しいのは重々承知してますので是非ともお仕事に戻られてください。」
「本日は誠にありがとうございました!またお会い出来ることを楽しみにしております!」
そう言って深深とお辞儀をして出ていってしまった。