Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第56章 炎の中■
「感想なんかなにもない。そもそもまだ何も解決してねぇからな」
ルーナはそりゃそうだよねと言った顔でリヴァイを横目に見る。
一瞬目が合ってドキリとする。
随分と久しぶりに視線を合わせた気がする。
「で、では…リヴァイ兵士長はどういった信念でここまで兵団を引っ張ってこられたのでしょうか?」
「…信念?」
リヴァイの鋭い視線に怯んだのか、記者たちは息を飲んで緊張感を漂わせた。
「俺はただ生き残りたいだけだ。一番会いてぇ奴に会うためだけに。」
先程のルーナと同じようなことを言われてしまい、記者たちは目を見開いたまま、とりあえずペンを動かしている。
「えっと…それっていうのはやはり…」
「あぁ。こいつのことだ。」
記者の言葉に被せるようにリヴァイが突然ルーナの肩を引き寄せた。
ルーナは驚いた表情のまま僅かに顔を赤らめた。
リヴァイはルーナの肩に片腕をかけたまま、目の前にあるルーナが飲もうとしていたであろう紅茶をおもむろに持ち上げ飲み始めた。
「ついでに言っておくが、俺だけじゃねぇぞ。皆同じだ。誰もが一番会いてぇ奴のために戦い、生き残ってるんだ。」
その言葉に、記者たちは真剣な顔つきになりながらカリカリとメモを取っている。
「では…今回の死者8名に関しては、なにか思うところは…」
ルーナは苦い顔をしながら言った。
「とても…残念でした。皆とても優秀でしたしまだまだ一緒に戦い生きていてほしかった…」
「そうですよね。けれど…その方々のおかげでこの勝利があると言ってもいい。8名の同志の方々も、きっと本望だったでしょう」
記者のその言葉に、リヴァイは冷たく言い放った。
「死ぬべき奴らなんて一人もいない。今までも、これからも、死が許されている奴はいない。俺は死ぬことだけは許さない。」
"どんなに苦しくても生き延びる努力をしろ!"
諦めていた兵士に怒鳴ったリヴァイの言葉がルーナの脳内で反芻された。