Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第55章 マーレ-レベリオ強襲撃
「早く許可してください。ルーナさん。」
ルーナの冷徹な眼光を見て、ジャンが慌てて顔を強ばらせた。
「ま、待ってください。ガキを空から投げ捨てても、サシャは戻らないし何も変わりませんよ…」
ルーナは少し沈黙した後に、ジャンに冷たい視線を刺したまま言った。
「ロヴォフさんはきっと、今日のあなたのように、この子供に戸惑ったんでしょうね。そしてそのせいで命を落とし、こうしてサシャも撃たれた…もう分かったよね?ジャン。」
ジャンが息を飲んだのが分かった。
ルーナが踵を返すのと同時にフロックが叫んだ。
「待ってくださいルーナさん!このガキどうするんですか!」
ルーナはゆっくり振り向いた。
氷のように冷たいその瞳に皆が固まる。
「私だけの意見だと今すぐに子供2人の命が消えるだろうけど…団長たちの意見を聞かないとね…」
「悪魔!!私たちは負けてない!!ジーク戦士長が遺した意思は!同胞が引き継ぐ!!」
女の子が突然暴れだした。
「随分と元気だね…ジャン、連れてきて」
ジャンが二人の子供を引き連れる間も、女の子は叫んでいる。
「お前を殺すのは真のエルディア人だ!!私を殺したあと首謀者に伝えろ!!」
「今から会わせてやるからそいつに同じこと言ってやれよ…」
ジャンの言葉と共に扉を開けると、ジークと対面した子供たちは固まった。
「ガビ、ファルコ…なぜここにいる…」
「ジークさんこそなぜ?!」
「こいつらに捕まってたの?!」
「このガキはなんだ?」
リヴァイの言葉にジャンが答える。
「ロヴォフさんを殺して、立体機動で乗り込んできました。そしてこの子にサシャが撃たれて、もう…助かりそうにありません…」
リヴァイが目を見開いたのと同時にハンジが入ってきた。
「それで…全ては計画通りってわけですか?ジーク・イェーガー。」
「大筋は良かったが、誤算は多々あった。」
「え?なに?この子たち?」
ハンジが驚いたように子供二人に視線を移す。
「誤算だ。」
ジークの静かな声と共に、ルーナがため息を吐いて俯いた。
リヴァイがルーナの腕を引き、隣に引き寄せる。