Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第55章 マーレ-レベリオ強襲撃
「おい、いつまでそれを付けてるつもりだ」
「えっ、なんだー、評判良かったんですけどねぇ」
そう言って髭を剥がすイェレナを見て、ルーナは思わず苦笑いをしてしまう。
そしてその隣の男に視線を移す。
「あなたが…ジーク…」
四肢の修復途中で蒸気を上げているジークは眼鏡を光らせてルーナを見た。
初めて視線が合った瞬間…ルーナはふつふつと湧き出る憎悪を懸命に抑え込みながら冷静な表情を作った。
「こんにちは、ジークさん。ルーナ・アッカーマンです。」
「君か…もう1人のアッカーマンは。まさか…まだいるとは思わなかったな。しかも可愛いし…」
「おい髭面野郎。人の妻に軽口叩くなよ」
ジークは驚いたようにリヴァイとルーナを交互に見た。
「え…えぇ?え、そん…なことって」
「ルーナさん!!!!」
突然扉が勢いよく開かれたかと思えばコニーが顔面蒼白になりながら叫んできた。
「サシャが撃たれました!治療してください!」
ルーナは目を見開いて急いで走っていく。
その後をアルミンとミカサも強ばった表情で追っていった。
腹部の位置が致命傷で血が止まらない。
ルーナはもう助からないと思ったが、受け入れたくなくて一生懸命に止血をする。
「ごは…は…まだ…です…か…」
「サシャ…一緒に帰って、ご飯食べようよ…」
たちまち瞳は色を失い、脈がなくなっていく。
ルーナが諦めたように首を横に振ると、アルミンたちは泣き叫ぶ。
「ルーナさん…こいつら…窓から投げ捨てていいですよね?」
フロックが連れてきた2人の子供を、ルーナは冷たい目で見下ろす。
まだ幼い子供だが、殿を務めたロヴォフを殺して立体機動を奪いここに乗り込んでサシャを撃ったらしい。