Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第55章 マーレ-レベリオ強襲撃
「もう点呼はしてくれた?」
「はい。現状は把握した限り死者6名です。」
ジャンの言葉に、ルーナはため息を吐く。
「6人も…」
「でもルーナさん、敵に与えた損害と比べてみてください!大勝利ですよ!」
フロックの言葉に、皆が歓声を上げ始める。
「我ら新生エルディア帝国の初陣は大勝利だぞ!!」
「「うおおおおおっ!!!」」
「喜べぇぇぇ!!!」
「これが6人の英霊への弔いだあ!!」
拳を上げて歓声を上げたり、抱き合ったり泣いたりしている者もいる。
中にはもちろんレオンたち3人やヴィムたちもいる。
「一体いつまでやりゃあ終わるんだ…
あと何人殺せば…」
そう呟くジャンをルーナは冷たい目で見下ろす。
「まだ始まったばかりだよ。あなたが車力にトドメをさせなかったのも、その覚悟の程が甘かったからだよね?」
ジャンはハッとしたように顔を強ばらせて立ち上がった。
「あれは風で軌道が逸れたのではなかった。あなたは目の前に飛び出してきた子供に情を移した。そうだね?」
「…すみません…」
悔しそうに拳を震わせ俯くジャンをいたたまれなくなったコニーが横から口を挟む。
「でっでもルーナさん!ジャンは全力でっ」
「結果が全てなの。あの時間違いなくトドメを刺せたはず。戦いの場では情は命取りになる。あなたたちなら何度も経験してきたはずでは?」
その言葉で、やはりあの時のことを思い出す。
自分の覚悟が甘いせいで、いつまでも踏み切れないせいで…自分のせいで…また…
ジャンは辛辣なその言葉をきちんと受け止めた。
「1人の甘い覚悟のせいで仲間皆が危険に晒される。…今日、車力を逃したせいで、きっとこれからまた犠牲が増える。重機関銃武装はこちらにとって1番不利なの。わかってるでしょ。」
「はい…次こそは…必ず…」
冷たく言い放つルーナに、ジャンは掠れた声で小さく呟いた。
「サシャ。あなたは今日とっても良かった。あなたが操縦士を撃ってくれたおかげでその重機関銃武装を抑えられたんだから。私が居なくてもあなたさえいればその場は任せられそう。」
今度はサシャに笑顔を向けるルーナ。
「はっはい!えっと…ごはんはっまだでしょうか!」
「はは、まだ島に着くまでは待っててね。そしたらめいっぱい好きなだけ食べさせてあげるから」
その言葉にサシャはパァと笑顔になる。