Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第55章 マーレ-レベリオ強襲撃
残るはジャンたちだけだ。
しばらくしてルーナが彼らの方へ戻ると、まさに車力に雷槍目掛けてジャンが飛び込んでいるところだった。
「急げー!トドメだー!!」
「打つなぁ!!やめてくれぇー!」
しかし、その車力を庇うように瞬時に出てきた子供に躊躇ってか、ジャンの雷槍は逸れてしまった。
「はっ…はずしたっ?!…俺…」
「ジャン!もういいからあなたも早く行って!」
顔面蒼白になっているジャンに呼びかけた瞬間、車力を守ろうと攻撃してくる敵たちが集まってきた。
次次と空中に銃撃が鳴り響く。
ルーナは必至に避けながら叫ぶ。
「距離を取って!!今は逃げることだけ考えて!」
ルーナは立体機動ではなく地表から攻めることにした。
部下たちを飛行船に行かせるためだ。
まさか空中以外からブレードで攻めてくるとは思わなかったのか、敵たちは次々とルーナによって刻まれて行った。
それも、目にも止まらぬすごい勢いで、まるで1本の線をいくつも描いているかのようにしか見えない。
未だにブレードの刃で戦っているのはルーナとリヴァイだけだ。
そして逆手でそれをこなせるのも2人だけ。
「ルーナさんも早く!」
バリスのその声は今のルーナの耳には一切届いていない。
ルーナは残酷さながらの眼光を見開きながら、敵が声を発する間もなく次々と闇に葬っていく。
先ほど獣を削いだ時のリヴァイと全く同じ表情だとバリスは思った。
誰もが今、ルーナの姿に悪魔を重ねていた。