Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第54章 幸福の香水
「本当は今夜俺は、自分に任務だと言い聞かせてあの女を抱いちまうことになっても仕方ねぇと…そう思って行ったんだ。そもそも話だけで説き伏せられる自信もなかったしな…」
「そう…だったんだ…」
「そうなったらなったで、お前には黙っていようと思ってた。お前さえ知らなけりゃ…お前さえ傷付けなけりゃ…いいと思ってな。」
ルーナは息が詰まる思いがした。
リヴァイがもう行く前から1番傷ついているはずだったのに、それでもまだ自分だけ傷つこうとしていたなんて…
「だが例えお前が知らなかったとしても、どんな理由であろうと他の女を抱けば結局裏切ることになっちまう。それに俺は…やっぱりどうしても無理だと思った。おまえ以外の女に触れるなんて考えただけでも胸糞悪くなる…もう今日で確信しちまった。これだけは死んでも無理だと…」
「…っ…リヴァイ!」
ルーナは泣きそうになってガバッと抱きついた。
逞しく硬い腕がしっかりと抱き締め返してくれる。
「っは…ダメだなやっぱり俺は…
お前に溺れちまっててもう抜け出せねぇ…」
「私だって…リヴァイだけ…」
俺の心臓はいつだってこいつを想い、こいつのために動き、こいつのためにある。
たとえ離れ離れになったとしても、自分が死んだとしても、心だけはずっとルーナの傍にいるだろう。
元々、一つの心臓を分け合った者同士なのだから…
いつか死が訪れたとしても、それまでにできる限りのことをして、精一杯の愛を注いでいきたい。
この世界で最も美しいものは、じつは見えたり聞こえたりするものじゃなく、心で感じるものなんじゃないのか、、
お前に出会ってから、よくそんなことを思うようになった。