Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第54章 幸福の香水
できればもっともっと、壊すくらいに強く抱きしめたいが、それが叶わないのがなんともいえない。
無防備なその寝顔を見つめる。
俺だけが知っているこの姿。
愛しいという感情しか湧き上がらない。
こいつに出会わなければ、そんな感情も一生感じることはなかっただろう。
それだけじゃない。
楽しいという感情も、嬉しいという感情も、幸せも、恐怖も、悲しみも、悔しさも、全部だ。
声を聞くだけで胸が弾み、温かいものが溢れた。
裏切り、裏切られ、傷付け、傷つけられ、
いつしか誓いを交わして、隣を歩くようになった。
毎日同じベッドで寝るようになり、朝起きたら1番に互いの視界に入り、1番に言葉を交わすようになり…
見える景色も聞こえる音も全て変わった。
「ルーナ…愛してる…」
月のように、いつも俺を照らしてくれるお前のことを。
ゆっくりとルーナの左手をとり、自分の口元へ持っていく。
いつものように薬指の指輪へキスをし、目を瞑ろうとしたが、湧き上がり続けるこの感情を抱えきれず、啄むようなキスを顔中のあらゆるところに落とす。
そして最後に唇を口に含んだ瞬間、ルーナが僅かに震えたのがわかった。
「ん……」
虚ろな目が開かれる。
リヴァイは結局起こしてしまった自分を心の中で罵った。
するとルーナは寝てしまっていた自分が最低だと思ったのか、瞬時にリヴァイの両頬に手を這わせた。
「ごめん寝ちゃってた!」
「あ?そりゃお前、もうこんな時間なんだから寝てねぇ方がおかしいだろう」
「ちがっ!そうじゃなくて!ちゃんとリヴァイがベッド来るまで起きてようと思ってたのに!」
「んなことしなくていい。早く寝ろ。」
じゃねぇと俺が辛いんだよ。
我慢が効かなくなるだろ…
そう思いながらまた抱き包もうとしたが、思い立ったようにルーナの頬を撫でる。
「お前に…謝らなくちゃならねぇ事がまだある…」
「…え?」