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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第54章 幸福の香水


「お前は愛を知らねぇとか言っときながら、俺もよくは知らねぇ。ただ感情に名前が付けられねぇだけかもしれん。」

「でも、愛しているのでしょう?」

「あぁ…愛しているとしか言葉が見つからねぇ…ただ何度もわからなくなってる。俺は…」

奥歯でジャリッと飴玉を潰した。

「例えばもしも今日、この立場が逆だったとしたら…俺は相手の男も妻のことも…殺しちまうかもな…」

ジャリジャリと飴を噛み潰しながら、やはり自分はただ溶け終わるまで舐め続けていることができない性分なのだと自覚した。
この癖は何度練習しても直りそうにない。


「自分の中からあいつが離れていくなら…他の奴の所や、どこかへふわりと消えちまいそうになるのなら…そうなるくらいならいっそ…俺の手で握り潰して、噛み砕いて……そんな風に思うことがある…」


ジャリと奥歯で最後の欠片が潰れた音がした。


"俺はさっき言ったよな?理由がどうあれ、お前が俺以外に体差し出すようなことがあったらただじゃおかねぇと…殺されてぇのか!"

昨日だってこう怒鳴り捨てたばかりだ。
ルーナは何を感じただろうか?
愛する者に恐怖を与えただろうか?
ここまで一人の女に執着し、独占欲の塊みたいな男が愛していると言う言葉を使うのはどこか違和感だ。
だが…もう俺はこのことを考えることはやめたんだ。
考えたところで答えは出ないし、愛しているとしか言えない。


「男がこの世で本当に好きなものは2つあるらしいですわ。」

リヴァイは噛み砕いた欠片を飲み込みながら黒目だけ動かした。
カサンドラは悩ましげに笑っている。

「危険と遊び。…男が女を愛するのは、遊びの中で最も危険なものであるからよ。」

だから私のお父様も…
と小さく呟きながら視線を落とした。


「確かにな…かなり危険な遊びであることは確かだ。人類最強だなんだと言われているこの俺でさえ、溺れちまってもう出てこられねぇ。あとは這いずり回るか、沈んでいくかしかねぇ…」

甘ったるい息を吐く。
噛み砕いた感触は心地よかったと感じ、もう1つ取ろうかと迷い始めた。
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