Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第53章 板挟み
そういえば…
と、過去のことを思い出す。
私が昔、部下たちと飲み会に行って潰れた時は、リヴァイが私のことを奪い返してくれて、目覚めるまで寝かせといてくれた。
あのときはその後のことで精一杯で、お礼すら言えてなかったな。
なんで今になって思い出すんだろう…
私がどんなに迷惑かけて、振り回しても、いつどんなときでも優しくしてくれて、助けてくれて、許してくれた。
出会った時からずっと…昔から…今も。
私は…なにもかもずっと許されてきた。
「本当にリヴァイはさ…優しいよね…優しすぎていつも…利用している気にさえなるよ…馬鹿な妻でごめんね…」
ルーナはリヴァイの頬にキスをした。
無防備なその寝顔、 …見られるのは…
世界中で私一人だよね?
だらんと下がっている左手の指輪にキスをしてから、腕をリヴァイのお腹の上に置き布団をかけ直す。
「よし。私はエルヴィンの部屋で寝るか。」
新しい布団や毛布を取りに行くのもめんどくさいので元団長室で眠ることにした。
いつも自分が掃除しているので普段からそこは完璧に綺麗な状態だ。
そしたら朝も早いしそのまま仕事に直行できるように着替えとかも一式持ってこう。
あ、その前に…
ルーナは紙とペンを引き出しから取りだし、メモを残した。
今日聞いてきたカサンドラ嬢の情報などだ。
明日の朝から夜にかけて、自分もリヴァイも各々やることが多いから会えるかは分からない。
そもそも普段から顔を合わせられない日の方が断然多いのだ。
リヴァイが明日の夜カサンドラのところへ行く前にももしかしたら会えない可能性の方が高い。
「リヴァイ、ごめんね。おやすみなさい。」
さらさらの漆黒の前髪を撫でてから目を細め、静かに部屋を出ていった。