Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第53章 板挟み
「え…なんなのこの状況は…」
ルーナが帰ったのは23時過ぎ。
部屋に入るや否や、目の前の状況に困惑する。
仰向けでソファーに横になり片腕をだらんと下げているリヴァイと、同じようにしてうつ伏せに寝ているバリス…
明らかに酔いつぶれているであろう2人。
テーブルの上には大きな酒瓶とグラスが2つ。
リヴァイがバリスを誘ったに違いない。
それに、リヴァイが酒を飲む時は必ず感情が乱れている時だけだ。
「ちょっとちょっと、こんなとこで寝てたら風邪ひくって!…ていうかうわ…酒臭い…」
ルーナは顔を顰めながら一先ず飲み散らかしてあるテーブルのものを片付け、まずはバリスを自室に戻そうと声をかけた。
しかし、肩を揺するもなかなか起きない。
「もー…バリスったら頼むよー。」
「んんー…」
仕方ない。リヴァイを起こして、運ぶのを手伝ってもらうか、、そう思って今度はリヴァイを揺さぶる。
「おーい、リヴァイさーん。…起きろっ」
耳元で呼びかけても、眉間に僅かにシワを寄せるだけでピクリともしない。
「こんな時にエルヴィンがいたらなぁ…」
リヴァイは見かけによらず、体重が重い。
今のルーナなら本気を出せば担げないこともないのだが、正直言って今は疲れているから気が進まないし、寝室まで運ぶのは難しい。
それにしても…
リヴァイが酔っ払うなんて珍しい。
夜会の時でもいつも、いっくら飲んでも顔色一つ変えなかったのに…
強い酒とかも関係ないはずなのに…
「リヴァイっ!こら起きろー!明日の朝起きれなくても知らないよ?」
「…ん…るせぇな…」
寝言で文句を言われカチンときてため息を吐く。
もう諦めよう…
そのとき、
「わーだめれすっ…おふたりとも…
けんかしな…くださ……ぐーーー」
バリスの声に驚いて振り返るが、彼も寝言だったようでぐっすり眠っている。
「うん、ごめんねバリス…ちゃんと仲直りするし、もう喧嘩はしないようにする…」
そう小さく呟いて、布団や毛布を引っ張り出してきて2人にかけた。