Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第53章 板挟み
「……僕は…一体何を…?」
バリスは上半身を起こし、なぜ自分が兵長夫妻の部屋のソファーで布団をかけられ横になっているのか、そして朝を迎えているのかという現実に困惑した。
ズキっと痛む頭を抑えながら思考をめぐらせる…
そうだ、僕は…昨夜…
「へっ兵長っ!!起きてください!!」
急いでリヴァイを揺さぶる。
「…ん…あぁ?…なんだ…」
寝ぼけ眼で心底不機嫌そうに起き上がったリヴァイは自分にかかっている毛布をめくりながらたちまち目を見開いていく。
「おい…今は何時だ?」
「はっ8時半ですっ!!完全に酔いつぶれてしまってましたよ僕たちは!早く支度しないとっ!!」
もうとっくに皆は訓練を始めている時間だ。
リヴァイは片付けられているテーブルや、バリスが急いで寝室に戻そうとしている布団と毛布を見ながら現状を理解していく。
「ルーナのやつか…」
チッ。俺としたことが…
部下を巻き込んでこのザマか…
リヴァイははぁぁーっと長い息を吐きながら前髪をかきあげる。
頭がボーっとするし今夜のことを考えるとどうにも気力がわかない。
「ちょちょっと兵長!早くそこから動いてください」
額に手を当てていつまでもソファーに身を沈めているリヴァイを顔面蒼白にして急かすバリス。
リヴァイは重い腰をあげてふらふらとテーブルの上に置かれているメモをとる。
その文字をぼんやりした目で追いながら舌打ちをする。
「…チッ。」
「はい、お水です。ところで僕は昨晩リヴァイ兵長に何か失礼な発言などしてませんでしたか?酔っ払っていたのか記憶が曖昧で…何か失態をおかしていたらと思うと…ああ…」
バリスは額に手を当てて上を見上げている。
リヴァイは差し出された水を飲みながらフッと笑う。
「確かに、いつも以上に毒舌だったな…」
「な?!本当ですか?!大変失礼致しました!!どうか忘れてください!!」
「何を言ってる。お前の言葉はいつも大したもんじゃねぇか。気にするな。」
「えっ、そそれはどういう意味っ」
「とにかく急ぐぞ。」
すごい慌てようのバリスの肩を叩き、2人は完全に遅刻して訓練場に出向いて行った。