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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第53章 板挟み


「自己保身を考えて謝れないのは、本物のプライドではなく、偽のプライドなんですよね。謝ったら負け、謝るのは恥ずかしい、などの卑屈な考え方は誇りではなく保身ですからね…」

そう言ってまた酒をすごいスピードで飲むバリスに眉を顰める。
こんなに飲んで大丈夫なのかこいつは?

なかなか辛辣な言葉だが、かなり腑に落ちることを言われた気がした。


「わかった。俺からちゃんと謝る。」

「はいっ。是非そうしてください。謝るのは子供でもできること。もし謝れないなら子供以下ということになります。
自己保身ばかり考えて、大事な一言を言えないのは、恥ずかしいことですよぉ」

バリスの顔がだいぶ赤くなっている上に目が虚ろだ。
口調もいつもより滑らかすぎて苦笑いしてしまいそうになる。

「…はっ。お前は酔っ払うとなかなか手厳しいことを言うようになるんだな。いつも以上に…」

リヴァイも酒を飲み干した。

「う…なんだか俺も今夜は酔えそうな気がしてきた…」

「兵長は酔っぱらうとどんなふうになるんでしょうね?」


少々呂律の回っていないその言葉はリヴァイの中で遠のいて行った。

代わりに脳裏に降ってきたのは、死に際のケニーの言葉。



俺が…見てきた奴ら…みんなそうだった…

酒だったり…女だったり…神様だったりもする

一族… 王様… 夢… 子供… 力…

みんな何かに酔っ払ってねぇと
やってらんなかったんだな…

みんな何かの奴隷だった… あいつでさえも…


お前はなんだ?…英雄か…?





違う。
そんなものなわけねぇだろ…


俺が何に酔っ払ってるかって?

酔っ払ってねぇと生きていけないもの…



そんなの決まってるだろ…




そんなの…




いつだって……




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