Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第53章 板挟み
「そうだったんだ…かわいそうにね…」
ルーナは複雑な心境になりながらも、そこまですぐに調べられてしまう2人に関心した。
「明日の夜、リヴァイがその娘の屋敷へ招かれてるの」
「「え?!」」
2人は、カサンドラがリヴァイにご執心なのは知っていたが、ついにこの日が来たかと目を丸くする。
「で、リヴァイは行くって決めてて。それで…彼は器用じゃないからもしかしたら体を差し出してしまうかもしれない…」
その言葉に空気は一気に重くなる。
アリーはグラスに視線を落として考え込み、ディーターは天井を見上げて考え込んでいる。
そしてしばしの沈黙がやさしい言葉で破られた。
「ルーナさん、でも…きっと大丈夫よ」
「あぁ俺もそう思うぞ。あの旦那がルーナちゃん以外の女を抱くわけがねぇ」
「というより、抱けないと思うわよ」
「その通り。あの男はルーナちゃんのことしか頭にねぇ。」
口々に励ましてくれる2人にルーナの不安の表情は笑みに変わる。
しかし、今の状況を考えるとやはり眉は下がってしまう。
「実はね…」
ルーナはこのことでリヴァイと散々喧嘩をし、まだわだかまりが解けていないことを言った。
それでも2人の反応は変わらない。
「大丈夫。愛情が原因の喧嘩なら、互いに相手を許しあえるはずよ。」
ルーナはハッとした表情になる。
愛が積もり積もってこんなことになってしまったのなら、喧嘩の本質は愛情ととれる。
「だがな、カッとなると人間は事の本質を見失うもんだぞ。気にするべきは、相手のためを思ってのことなのか、自分本位のことなのか。だな。」
ディータの言葉にルーナは考えた。
私があの時した発言は全部リヴァイのためを思ってしたことだったのだろうか?
いや…
兵団のためとか言って、心を傷つけた内容もたくさん含まれていただろう。