Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第53章 板挟み
「しょ、正直申しまして…もしもあのお嬢様が本当にリヴァイ兵長を求めているようでしたら、屋敷へ行かれるしかないとは思いますが…でもなんとかそのっ…体の関係にはならないようにできると思うんです。」
「あぁ?」
「そうだよね!」
2人の別々の反応にバリスは怯むが、深呼吸をして話を続けた。
「彼女が本当に求めているものはなんなのか…それが分かれば兵長が体を開け渡さなくても済むと思います。話をして、心の隙間を埋めてあげることができたなら…彼女はきっと…」
「おいバリス!お前までまさかそんなことを言うとはいい度胸だな!」
突然リヴァイが声を荒らげたのでさすがのバリスも瞬時に口を噤む。
「ちょっとリヴァイ!いい加減わからず屋すぎる!」
「なんだとてめぇ!あの女と話をするっつってもそれは俺の役目なんだぞ!」
「私だって代われるもんなら代わりたいよ!私なら話だけでどうにかできるはずだもん!」
「はっ、たいした自信だな!
ならお前に行ってもらおうか。」
「なっ!だからこれはリヴァイにしか頼めないことだから私はっ」
「お二人ともやめてくださいよ!!!!」
「・・・」
バリスがこんなに大声を出したことは1度もないので2人は目を見開いて固まる。
バリスは2人を真剣な顔で睨んでいる。
その気迫は今までにないくらいに凄まじい空気だ。
「お二人とも!こんなことで喧嘩しないでください!それこそガキじゃないんですから!」
その言葉に2人は力を抜いて眉を寄せた。
自分たちの愚かさを痛感させられた気がして短く息を飲む。