Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第8章 帰還■
「……っ…なぁ、頼むからもうやめてくれ...」
「なーに?だから大丈夫だって」
「そういうことじゃねぇよ...!
ったく...お前、今自分がどんな格好で、んな事やってんのか分かってんのか?」
ルーナはハッとした顔で手を止め自分の体を見た。
ブラジャーとパンツしか身につけていない自分に気が付き、顔を赤くし始めた。
「...お前なぁ、そんなナリでナイフ振り回して、シュールにも程があるぞ。それに、万が一身体に傷がついたらどうする、馬鹿」
「わははぁ〜そうだね確かに」
ルーナはくすくすと笑ってから
愛おしそうに、どこか懐かしそうにそのナイフを眺めている。
「いいから早くそれを置け。お前にやるから」
「...えっ?いいの?でも大切なものなんじゃ...」
「今お前が持ってんのは俺のだ。それに...お前に持っていてほしい。それだけ遊べるなら使えるだろ。護身用だ。」
そう言ってリヴァイは下だけ着衣を身につけ椅子に腰掛けた。
「わぁ〜ありがとう!ちゃんと御守りにする!」
そう笑顔で言いながらナイフを机に置き、変わりにファーランとイザベルの髪が入った小瓶を引き出しに閉まった。
「それよりお前……ガキの頃からそういった刃物で遊んでたと言ったが……」
「うん?」
「そのとき何か……自分じゃねぇみてぇな力が湧いて来た感覚は無かったか?」
真顔で問うリヴァイに、
ルーナは少し驚いたように数回瞬きをしてから、またナイフを手に取り、切っ先に視線を落とした。
「……あったかもしれない…」
静かなその返答に、今度はリヴァイが僅かに目を見開いた。
「ナイフを握って、母親を刺すあの瞬間……」
そう言って、ルーナはナイフを握っている手に力を込めたのがわかった。
小刻みに震えているその手を、リヴァイが掴んだ。
すると、ルーナの震えが止まり、そのままリヴァイがナイフを引き抜いた。
「どうしてそんなこと聞くの?」
「……その瞬間が、俺にもあった。」
「え…?」
リヴァイは考え込むようにそのナイフをクルクルと回し始めたかと思えば、切っ先をスっとルーナの身体に向けた。
「チッ...いいから早く服を着ろ。
いつまでそうしてるつもりだ。」